U-MAP、次世代高熱伝導フィラー「Thermalnite®」で開発支援体制を本格始動
― 少量試験から共同開発・量産まで、放熱課題を一貫サポート ―
名古屋大学発スタートアップの株式会社U-MAP(代表取締役:西谷健治、本社:愛知県名古屋市千種区)は、独自開発の繊維状窒化アルミニウム単結晶フィラー 「Thermalnite®(サーマルナイト)」 を核とした開発支援体制を本格的に始動しました。従来の球状フィラーでは難しかった「熱伝導率の向上」と「機械特性の確保」を、少量添加で両立。受託試験から、共同開発まで、放熱課題を抱えるメーカーの皆さまをサポートします。
■放熱材料の課題とThermalnite®の解決策
EV・パワーデバイス・5G通信機器の高出力化にともない、高い熱伝導性を有する放熱シートや
放熱グリスなどの放熱材料がこれまで以上に強く求められています。
高い熱伝導率を得るためにはフィラーを大量に充填する必要がありました。
しかし、その結果として以下の問題が避けられませんでした。
・機械強度の低下:高充填により材料がもろくなる
・熱効率の悪化:界面抵抗が増加し、放熱性が落ちる
・加工性の制約:成形性や粘度が悪化し、設計や製造の自由度が下がる
U-MAPの「Thermalnite®」は、繊維状の特性を活かすことで少量の添加でも従来課題を解消します。
・効率的な熱伝導経路を形成し、確実に熱を逃がす
・厚み方向の熱伝導率を改善(例:10W/m・K → 14W/m・K)
・強度と柔軟性を両立(引張強度290%改善)
・界面抵抗を低減し、安定した熱性能を長期的に維持
比較項目 | 従来フィラー(球状) | Thermalnite®(繊維状AlN) |
フィラー充填量 | 多 | 少 |
厚み方向/熱伝導率 | 〇 | ◎ |
機械的強度/柔軟性 | △ | 〇 |
構造 | ![]() |
![]() |
メリット/デメリット | フィラー充填量が多く、
高熱伝導率と柔軟性の両立が困難 |
Thermalnite添加の影響で
高い熱伝導率と柔軟性を両立 |
■実績例(シリコーン系TIM)
実際のお客様との協業では、以下のような効果が確認されています。
・熱伝導率:40%向上(10W/m・K → 14W/m・K)
・引張強度:約3倍(0.11MPa → 0.43MPa)
・加工性:少量フィラー添加により、樹脂粘度を低減
この結果、設計の自由度が広がり、開発スピードの向上に貢献しています。
■開発プロセスに合わせた支援内容
U-MAPは「Thermalnite®」を活用し、お客様の開発フェーズに応じた柔軟な支援を行います。
<受託試験>
・既存のThermalniteを使用し、樹脂との適合性や基本特性を評価
・表面処理・混錬:お客様から樹脂をご提供いただき、Thermalniteを混錬
※Thermalniteは混錬時に折損や凝集が起こるため、弊社にて最適条件で実施
・評価・試作:熱伝導率を測定し、シートやペースト状の試作品をご提供
<共同開発>
・Thermalniteの開発:長さ・太さを制御した新規仕様のThermalniteを開発
・フィラー複合化:他のフィラーとの組み合わせによる新しい材料設計
・評価:熱伝導率、機械強度、絶縁特性などを総合的に評価
■想定応用分野
・EV:バッテリーモジュール用接着TIM、放熱封止材
・通信機器(5G/6G):RF用TIM、EMC対策樹脂
・パワーデバイス:高耐圧TIM、絶縁放熱シート
・光デバイス:LED/LD封止材、高放熱接着剤
■R&D体制
・名古屋大学との共同研究に基づいた材料科学的知見
・名古屋R&Dセンターにて、混錬・分散・評価設備を完備
・NEDO・経済産業省プロジェクト採択の実績
■企業様へのメッセージ
U-MAPは、「まずは少量で試したい」という探索段階から、「共同開発」という本格プロジェクトまで、一貫して伴走します。放熱課題を抱える企業様、新規事業テーマを模索中の研究者様にとって、Thermalnite®は新しい選択肢となるはずです。
ぜひ一度ご相談ください。
https://umap-corp.com/contact
【会社概要】
株式会社U-MAP
所在地:愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学TOIC601
代表者:西谷 健治
設立:2016年12月12日
事業内容:放熱材料の研究開発・製造・販売
URL:https://umap-corp.com
【お問い合わせ先】
事業開発部 広報マーケティングG
E-mail:pres.office@umap-corp.com